6月1日、諸事情があり九州方面へ足を運ぶことになった。
ちょうどそのタイミングで九州プロレスがあるというのでチケット予約。
博多スターレーンは何度か行ったことがあるが、
今回の会場は天神の西鉄ホール。駅直結のショッピングモールの上で、アクセスが凄く良い。
会場につくと各選手の幟がお出迎え。
名前を覚えてもらうための工夫は入場時に配られたパンフレット(もちろん無料)にもこらされていた。
売店ブースは受付の外側にあり若者が声を張り上げている。
なんでも地元の専門学生の研修の一環らしい。NPO法人の肩書きすげえ。なのか?
というかパンフレットの協賛企業一覧も、もの凄い数。
ローカル団体ってレベルじゃねぇ。
会場の中は…ナスキーホールのような作りだが非常に綺麗。キャパもナスキーと同じくらいだろうか。
でもプロレス会場としての位置付けとしては西鉄ホール<スターレーンらしい。広さの問題。
ステージでは地元ローカル番組(朝の情報番組や地元の駅伝中継や深夜のバラエティ等)に
出演する九プロ勢の録画が流れる。そら知名度上がるわけだ。
試合開始、会場は9割がた埋まっている。
1割の空席は義理買いで、当日飛び込みのお客さんは入れなかったそうだ。予約しておいてよかった。
今回の大会はめんたいキッドプロデュースということで筑前の試合は無し。
しかし受付の近くでスーツ姿でお客さんの出迎えをしていた。
地方ならではの人の繋がりの濃さを見たような気がした。
開場前あまりの暗さに写真を諦めたのだが、試合開始と同時に照明がバチっと当てられると
リング上は後楽園ホールばりの明るさに!
すごいお金かかってるよ!
試合前は毎回おなじみらしきシンガーの女性が登場。この1年九プロのOPでこの人の歌が流れていたらしい。今回で最後らしき生歌。うまい。
プロデューサーのめんたいキッド挨拶。めんたい体操というものを作ったらしい。
第1試合 ばってんぶらぶらvs ばってんへの刺客X(ゼウス)
煽りVで、練習中ではなくテレビの収録のローション相撲でケガをしたというばってんが
筑前にXが誰か教えてほしいと懇願するが断られる。
足は引きずっているものの陽気に登場したばってん。
相手はゼウスでしたー
当然フルボッコで敗退。
第2試合 ウォーターマン日田丸vsがばいじいちゃんvsゴールデンパイン
昔どこかで会った、ような…?
パインは沖縄プロからの派遣ってことらしい。
相変わらず人気の出づらい試合をする日田丸と一人でしゃべり倒して試合を回すパイン、
必要最小限の動きでとどめるがばいじいちゃん。今回の裏MVPはパインだったんじゃなかろうか。
休憩時間も客席を回ってグッズを売りまくっていたし。その姿は某団体某極道コンビの誰かによく似ていたという…。
第3試合 旭志織vsキシャーン
千葉のよか男
ぐれたキシャーンを更生させたい旭と更生したくないキシャーン。
休憩時間
めんたい体操
このチビっ子めんたいキッドが途中までは体操を覚えていたんだが
途中からずれていってしまい、かなり我流になる。可愛すぎる反則。萌え死ぬわ。
めんたいキッドは終わってから「見ての通り、この体操は、自由です!」と。
ローカル体操としてこれから普及していくか。
めんたいキッドPVも上映されたが、これがまた素晴らしい出来映えだった。
https://www.youtube.com/watch?v=F1BT4iZipOM
さえないメタボおっさんが、マスクをかぶるとめんたいキッドになるという夢のあるストーリー。
第4試合 桜島なおきvs田中純二
タイガースマスクのおもちゃにされていた「ぐっさん」こと瀬戸口が
地元にあやかり桜島なおきとして再デビュー。
もちろんそこにはぐっさんの面影はなく、一升瓶を抱えて入場してきて
口に含んだその酒を噴火のごとく吹き上げた。
コールには大量の紙テープが舞い、ファンの彼への期待度の高さが伺えた。
こちらはその昔グレートサスケのおもちゃにされていたjunji.com
今やふんどしである。近くのプロレスを普段あまり見ていないであろう女性二人が
「お尻、お尻!」とキャッキャしながらガン見。
しかしその生尻的な、バーミヤンスタンプ的な攻防は一切無く
マジメに試合は進んだ。
桜島がその体格の良さとパワーで見事に勝利。
メインイベント めんたいキッド、ビリーケンキッド、台風vs阿蘇山、玄海、藤田ミノル
なんという、わかる人にとって感慨深すぎて死にそうになるタッグ!
【解説しよう】
玄海というのはマスクマンの秀吉。その前は素顔で本名で試合をしていた。
同じ頃、大日本プロレスで田尻に次ぐジュニア戦士として、将来の期待を
一心に背負っていた藤田穣は、色々あって大日本プロレスを退団した。
退団発表から数ヶ月後彼はひっそりと愛知県のコスモソルジャー興行で
名前を藤田ミノルと改め、復帰第1戦、シングルマッチを行った……
そのときの相手こそ、川内大裕だったのだ。
まぁそんなことを覚えている人も今はどれほどいるかわからないけれども
秀吉vsビリーもまた大阪プロレス時代のファンにとっては大変に意義深いカードである。
めんたいキッドもイイ体をしているのだが、ビリーケンキッドも相変わらずのグッドコンディション。
なので、タッグを組むもともと細く見られる色である黒をベースにした台風は
名前とは裏腹に何とも頼りなさそうな細さだ。Vをみると欠場明けということでますます不安が。
話し方も悪い子ではないことは伝わってくるのだが、この熟練の5人の中に放り込まれるのは
気の毒なようにも、チャンスなようにも見える。
試合は台風が一所懸命前へ出るも、阿蘇山のパワーと玄海・藤田の巧さに吸い込まれる。
まだまだ九州の台風の目になるには時間がかかりそうだ。
試合数をこなして体を作れば一気に伸びそうな気もする。
あの背の高さで飛んだらかなりダイナミックだろう。(筑前のように)
琉ドラあたりに半年くらい放り込んでみてはどうだろう。
試合後、会場の隅で試合を見ていたゼウスが登場。
ばってんをぶちのめすためだけには惜しい人である。
玄海にむかって「秀吉」と呼びかけたゼウスが宣戦布告。
立ち位置としてめんたいキッドとタッグを組むのかどうかは微妙、
しかしとにかくこれからも玄海の首を狙うと宣言した。
なんやかやとあり勝利者賞のお肉を玄海軍に持ち去られてしまっためんたいキッドだが
お母さんと甥っ子をリングにあげてお姫様抱っこ。
次回は8月10日、お盆ど真ん中にスターレーンで開催。
ビッグマッチらしい。
この団体が九州でしっかりと根を張った理由がなんとなくわかった。
地元愛に溢れ、また、「男臭さ」を全面に押し出しているからだ。
なんか皆顔濃いし。男っぷりがいいと言われやすい顔とか体をしているし。
みちのくプロレスの登場以降、各地でローカルプロレスを掲げる団体が旗揚げされた。
みちのくから別れた大阪プロレスはともかく、その他の団体の多くは何故か皆マスクマンで
ルチャがベースで、東京のインディーでの活動すらあやふやな人びとで
そして一時的には盛り上がるものの、継続できなかった。
アステカさんはストロングスタイルだから生き残った。(?)
九州プロレスもマスクマンはいるものの、闘いは力強く、熱い。
彼らは九産大プロレス研究部出身であったり、九州出身、九州在住というつながりを
大切にしている。だからこそ、地元企業の理解も得られたのだろう。
今、関東や関西で活動している九州出身の選手にもまんべんなく声をかけているそうだ。
そうやって集めた、他団体のトップでキャリアを積んできた選手ばかりだから、
自分が求められているキャラクターをしっかり理解していて、
それが試合のクオリティの高さに繋がっているのではないか……と。
そして何よりも、筑前が千葉の団体で数々の失敗事例を見てきたことも大きかったんじゃないだろうか。
そんなことを思った九プロ観戦でした。