ひとつずつ書くにはもはや記憶が・・・。
7/9 ワラビー
矢野啓太のプロデュース興行。もはや「あなたにカンケイあるプロレス」など一切無視のヤノケイ・ワールドだった。音響とOPのアナウンスが会場さん、という段階で察する人はどれくらいいただろうか。これは2010年代の、国際プロレスプロモーションを実際に見ていない矢野啓太が想像して作った「国際プロレスプロモーションっぽいもの」なのである。そりゃ、澤が楽しそうに現場仕切るはずだよ。
磯さんを見るのはこのとき以来だ。竹嶋をグラウンドで圧倒する磯さんとか素晴らしい。
第1試合前に流れたOP映像はイエローモンキーの曲。挿入される猫とか東京タワーの画像に交じって、某アイスリボンの選手の画像がサブリミナル的に1度入る。ちょっとざわめく。
キラーマスターというとその昔大阪で見た気がするが、今は本名の長屋亮次でやってるそうだ。普通のプロレスラーになっていて、よかったんだかわるかったんだか。ムーンサルトで頭から落ちたりとかひたすら怖かったもんなぁ。
その次に矢野啓太とさくらえみの試合だったが、サバイバル飛田がさくらえみを襲撃しまさかの無効試合。矢野的にはここで矢野にブーイングが飛んでほしかったらしい。反逆児だから。が、なんでも楽しめるお客さんはついうっかり受け入れてしまったのは誤算だった。
メインイベントであったウインガーと松本都の試合は神が下りたわけではないが、完全にウインガーの手の内での試合に。都かわいいよ都。
そしてエクストラマッチ、ロビンと矢野の欧州ルール3分10ラウンド。3ラウンド目あたりからバテバテのロビンさんが5ラウンド目でゆっくりと丸めこみ3カウント。インターバル中のクラシック曲とかセコンドなんて誰もいないのに「セコンドアウト」とか、細かいところまでつっこみどころが行き届いていた。国際は不測の事態でカオスになることが多かったが、ワラビーは矢野の計算尽くしのカオスであるのが大きな違い。食い足りないと思った人もいるかもしれない。
しかしサバイバル飛田にウルトラマンロビン、音響ブースの隣には佐野直と第1回からいろんな意味で詰め込んでしまったため、第2回が(行われるとしたら)けっこうハードルは高い気がする。
頑張れ、矢野啓太。
7/11 横浜プロレス&D-ダッシュ
「最近横浜プロレスが大変らしい」という噂を聞いて久々に見に行ったら、本当に大変だった。悲しいくらいダダ滑りながら、西園寺ピエール(2代目は秘密基地のあの人)とシャイニングタイガーが気を吐くという凄まじいカオス興行に。お客さん30人くらいしかいないし。誰に対する何の意地かさっぱり分からないが、もうやめた方がいいんじゃなかろうか。仕切ってる人の、誰かさんへ対する
意地とか反骨心はもっと別の場所で使った方がいいと思う。Uストリームに通報してる場合じゃない。
くらべてD-ダッシュは満員、でもなかったがそれなりの入りに。ユニオンプロレスの妻木やらガッツワールドの吉野やら、気迫が全面に出る気持ちの良いファイト。塚本や橋本がそこでも抜きんでていたかなあ。前はMVP常連だった竹田が安定して見えるんだもの。
メインは大橋とマンモス佐々木のシングル。うーん。大橋も結局「勝てるわけないけど善戦すればいい」と根底で思ってるのがダメなんだよな。その昔、ラゾーナ川崎で見た矢野啓太はあわよくば関本から3カウントを奪ってやろうとしていたし、竹田誠志にしてもどんな先輩が相手でも勝つために手段を選ぼうとしなかった(プロレスのルール内で)。この日でいえば橋本だって自分が負けるなど思っていもいない表情をしていなかった。そして塚本も。MVPは結局塚本だったが、発表された瞬間に大橋が「俺だって頑張ったのに」みたいな顔をしていたが、もう頑張れば褒められるキャリアではないんだよなぁ。まだそこに気づけないのはなぁ。他の団体だったらまだいいのかもしれないけれど、大日本は大橋以下の若手が揃いもそろって逸材だから、危機感を持つべきなのである。
7/17 スタイルE
おもしろかった! 大家慶次郎がいなくなっても、新木場へ向けての一体感は凄い。
クボブラはいい仕事をした。マイクがなくてみゃあ節が控えめだった。彰人は普通にベテランヒールっぽくて若さが見えづらい以外は良し。高尾もどんどん良くなってるな。若手通信でも光り輝いてるし。安部はなぜかDDT内で光らないのが残念です。
獅子一色がここへきてさらなる補強として服部祥一を加えたのは本当に驚いた。スパークは忍術で光り輝きながらスベるというすごいことになったのもお腹がよじれるくらい笑ってしまった。高梨と趙雲というスポークスマン二人の怒涛のマイクはやっぱり楽しいし。
田村と藤田ミノルの試合も白熱。藤田ミノルのこういうシングルはけっこう貴重なだけに(そして敗戦も)ここに至るまでの経緯も含めて楽しかった。が……熱望していた稔戦は「全日本があるから」という理由で実現されず。
なんだそりゃ!
そもそもUファイルには独身時代の稔夫人が練習に来ていたという縁もあって、その後、家族でスタイルEを見に来ていたことがある。そのとき田村はミノルスペシャルの入り方について直々に指導を受け、その感動をブログに記したりもしている。リング上で西調布MINORU組合結成のきっかけとなった田村の稔(そしてヒート)フェチというネタは、あながち嘘ではないのだ。
それから数年、スタイルEがついに新木場に進出、この大会にかける田村はどれほどの思いで稔と対戦したかったことだろうか……
そりゃ武道館とかタイトルマッチがあるとかいうならしょうがないなと思う。。
だがまだ全日本は日程すら発表していない(ビッグマッチならもう発表されていてもおかしくない時期だし8月に両国があることからビッグマッチの可能性は低い)。
まぁ、それでも本人が全日本に集中したいっていうんだからねぇ……
新木場をビッグマッチと呼ぶような汁インディーなど相手にしてられないってことか。
正直、稔はリングスに出たときから大嫌いになって(カッコつけた挙句に負けるというひどい試合でした)その後どうでもよくなって現在に至るわけだけども、相変わらず嫌な感じはぬぐえず。ここで新木場出てたらマイナスの印象がゼロくらいになったかもしれんのに。
しかし代わりの選手が大谷晋二郎ということで身長差がすごいことになりそうだ。
メインは柴田vs安部。安部の怒涛の攻めには、勝ちへの執念が見えた。結果を残してナンボのところまで追い詰められて、勝ち取った新木場メインへの道。3カウントが入った瞬間、スタイルEファンからがっかりした声が聞こえたのは柴田にいってほしかったからだろうけども、この日の柴田は良くも悪くもいつもの柴田にしか見えなかった。関本のようにあの体をもってしても全力で勝ちに行く姿勢を見せるのはそんなに難しいことだろうか。あの体があるからって甘えにも見える。
試合後マイクを持った王者、竹田は安部に「気持ちが見えない」と罵声を浴びせたが、ある意味メインをはるんだぞという発破にも聞こえた。
そんなわけで9月の新木場では田村和宏vs大谷、竹田誠志vs安部行洋のシングルが決定。若い二人のメインにスタイルEの未来は託された。これからもコンスタントに新木場大会ができるかどうか、それは彼らにかかってるといっても過言ではない。
楽しみにしていますよ!!